Naitter【泣いた】

34歳で光を失って見えたものとは

34歳で光を失って見えたものとは

34歳で光を失って見えたものとは


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日本テレビの夏の風物詩「24時間テレビ」(8月27日~28日)内で放送されるドラマが『盲目のヨシノリ先生 ~光を失って心が見えた~』に決定しました。

■「盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた~」

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「この物語は、盲目となり、光と生きる希望を失った一人の教師が、家族、教え子、友人など、周囲の人たちの「愛」によって、絶望の淵から、再び立ち上がる物語。」

出典 http://www.ntv.co.jp

このドラマは、網膜剥離によって全盲となりながらも中学校で教鞭をとり続ける教師・新井淑則(あらいよしのり)先生の実話を描いた『光を失って心が見えた 全盲先生のメッセージ』(金の星社)が原作となっています。

出演者

出典 http://www.suntory.co.jp

主演の新井淑則さん役を演じるのは、今年の24時間テレビのメインパーソナリティを務める「NEWS」のメンバーで、小説家としても活躍する『加藤シゲアキ』さん。失明に絶望して自殺まで考えた新井さんを励まし、リハビリに向かわせた妻の真弓さんを、女優の『沢尻エリカ』さんが演じます。

加藤は「一緒に頑張ってすてきなドラマにしたい」と意気込み、沢尻は「今年のテーマである愛を表現できるように頑張りたい」とコメントを寄せた。

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先日の制作発表会見では、加藤さんがこれまでに発表した著書を読み聞かせしてもらったという新井先生から「これだけの本を書けるのだから私、新井淑則の役を見事に演じてくれるだろうと期待しています」とコメントが寄せられました。

加藤さんは「僕も新井さんに読んでほしいと、点字にしたりどうにか差し上げる方法を考えていたので、先に読んでいただいているとは嬉しいです。頑張って一生懸命演じたいと思います!」と、意気込みを語りました。

■34歳で全盲となった教師・新井淑則さんとは?

1961年、埼玉県生まれ。大学卒業後、埼玉県の東秩父中学校に新任の国語教師として赴任し、翌年には秩父第一中学に異動。同校の音楽教師だった真弓さんと結婚し、3人の子供にも恵まれました。

一日の仕事を終え、学校から我が家に帰ると、大好きな妻と三人の幼い子供が、俺の帰りを待っている。毎晩、子供達の安らかな寝顔を眺めることが、なにより楽しい。大人になったら、この子達は、どんな顔になるのだろう。あふれる光のよう、充実した幸せな日々。そんな日々が突然終わる。

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初のクラス担任やサッカー部の顧問を務めながら、3人目の子供が誕生して半年、幸せの絶頂にいた28歳の新井先生に、信じられない事が起こってしまいます…。

右目に網膜剥離を発症し、失明。

新井先生は突然、右目に網膜剥離を発症。手術と入院を繰り返すも右目を失明し、クラス担任からもサッカー部の顧問からも外されてしまいました。32歳で養護学校(現特別支援学校)に異動する事を余儀なくされますが、それから3年経ったある日、ついに左目にも網膜剥離を発症。両目の視力を完全に失ってしまったのです…。

もう生徒に授業をすることも出来ないし、愛する我が子達の成長した姿を見ることも叶わない。真っ暗な絶望の中、家に閉じこもり、家族にあたり散らし、ついには自殺まで考えるように。

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真っ暗な世界の中で絶望に襲われていた…

そんな俺を支え続け、前を向かせてくれたのは、家族や教え子、友人達の存在だった。みんなが手を携えて共に歩いてくれたから、俺は、自分の障害ときちんと向き合うことが出来た。『もう一度中学校の教師に』という夢への挑戦を、俺は決意する。

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ご家族の支えや、リハビリセンターで同じ境遇の方達と出会った事で、新井先生は力強く、前へと歩き出すことを決意します。

しかし、それは、長い長い苦闘の始まり…

新井先生が行ったリハビリは「眼科的リハビリ」といって、点字の判読訓練や白杖をついての歩行訓練。国立身体障害者リハビリテーションセンターにしばらく通った後、県立リハビリセンターに10ヶ月間、泊まり込みで訓練を積んだそうです。

リハビリはたいへんでした。点字ひとつ取っても最初はどうやってあの点の集まりを指先で読むんだ、わかるわけがないじゃないかと思っていました。それが数ヶ月かけて修練を積むうちに、点が文字になり、文字が単語になりと徐々にわかるようになりました。

白杖による歩行訓練もきつかったですよ。指導員も「命にかかわるから自分も命懸けで指導しているんだ」とかなり厳しかったです。

それまで目が見えないと何にもできないと将来に絶望していた自分から、少しずつできることが増えていくことにより、生きる希望がもてるようになったのです。

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苦しいリハビリの中にも生きる希望を見出した新井先生は、地道な努力と周囲の協力が実を結び、36歳の時に特別支援学校に復職を果たします。それだけでも十分素晴らしいですが、先生は普通中学校への異動を訴え続けました。

それから10年。その願いがようやく叶います。念願の普通中学校である長瀞中学校に赴任する事が決まり、ついに教壇に立ちました。そして、2014年4月にはクラス担任に復帰。網膜剥離を発症してから24年、全盲で中学校の担任を持つ教師は全国でも初でした。

ついに、クラス担任に復帰!

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新井さんは盲導犬と一緒に登校し、副担任の助けを借りながら授業をします。入学式の翌日には生徒40人の名前を覚えて臨みましたが、名前を読み飛ばしてしまう失敗も。飛ばされた生徒が名乗り出てアシストし、教室は笑いに包まれたそうです。

朝の出席確認や生徒の健康観察など負担は増えるが新井さんは意欲的だ。「学校行事で子どもたちと達成感を共有し、人間関係を築きたい。悩む生徒には、自分の体験も生かせるのでは」。文化部顧問として、絵本を点字訳して図書館に贈ったり、学校農園で野菜作りしたりといった活動にも力を入れる。

学年集会では「声で氏名を覚えるので、名乗って話しかけて下さい」と呼びかけた。授業中、うなずいても新井先生には伝わらない。だから、生徒は言葉ではっきり発言するようになった。思いやりの毎日からは学ぶことも多そうだ。

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クラス担任を受け持つのは22年ぶり。意欲的な新井先生の想いを生徒たちが受け止め、お互いに思いやる姿が目に浮かびますね。そして学校側もあらゆる物に点字シールを貼るなど状況に応じたさりげない支援で後押し、校長先生が「助け合い協働する職員集団を築きたい」とおっしゃっていた通りの関係を築いていきました。

■ドキュメンタリーが放送された時には大きな反響を集めた

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2015年4月には、日本テレビ「NNNドキュメント」で「1年B組 全盲先生~心で見つめた1年間~」と題し、新井先生の1年間の記録を放送。大きな反響を集めていました。

「1年B組全盲先生」というドキュメンタリー、すごく良かった。子どもの気持ちに寄り添った先生の関わり方が、とても素敵でした。日々の子どもたちとの関わりが、その子の成長に影響を与えているということを、改めて肝に銘じました。

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子供の気持ちに寄り添う。なかなか出来る事ではありません。

網膜剥離によって、後天的に全盲になった新井先生。目で見えなくても、心で見る。という、大切さを教えていただきました。今まで出来ていた事ができなくなるのは、不安で怖い。

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「目で見えていなくても、心で見る。」何よりも大切な気がしますね。

全盲の教師、 新井淑則先生のドキュメンタリーがとても良かった。ハンディにはマイナス部分や、難しいことが沢山あるのだろうけど、新井先生のクラスの子どもたちは、そこから学ぶことが絶対あったと思う。みんながその「何か」を考え感じることが大切な授業になっている気がする。

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難しい事が多い中で「何か」を感じ取り、学び、考える生徒達。

見えなくても見えている先生。見えている私達よりももっと子ども達を見てる先生。子ども達もきっと先生から学ぶことが沢山あるでしょうね。

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見えている私達よりもちゃんと子供達を見ている先生。番組を見ていた方達も「大切なもの」を受け取ったようです。

■24時間テレビ、今年のテーマは「愛」

両目が見えなくなってしまった時、真弓さんは長女を車の後部座席に乗せ、次女は背中におんぶ、生後半年の長男を抱っこして、入院先まで通っていたそうです。「リハビリのきっかけを与えてくれたのも妻ですし。妻には感謝しても感謝しきれない」と、新井先生は奥様への想いを綴ります。

24時間テレビ、今年のテーマは「愛」。ドラマでどのように描かれるのか、全ての方へ是非見て頂きたい作品です。

そして、放送翌日の日曜日には、実際の人物とご家族や仲間をメイン会場に迎え、「24時間テレビドラマスペシャル 真実の物語」と題したドキュメンタリーが毎年放送されています。そちらも是非ご覧くださいね。