落とし主は現れず、その後の問い合わせもありませんでした。おそらく、このストラップの落とし主は「きっと見つかるわけがない」と諦めてしまったのでしょう。
ディズニーキャストのエミリー・フラー・ギビー(Emily Fuller Gibby)さんは、そのストラップにメッセージタグがついている事に気がつきました。そのタグのメッセージを読んだエミリーさんは、みんなの力を借りてディズニーマジックを起こそうと決心します。そしてキャストの小さなマジックを起こしたストラップの写真と共に、このストラップの写真をSNSに投稿します。

出典 https://www.facebook.com
『ねぇ、みんな力が必要なの!木曜の朝に、この赤いストラップを見つけたの。ストラップには4個のピンバッジと、このメッセージがついていたわ。
「こんにちは。私は自閉症で、あまりたくさん喋る事ができません。でも私は、ミッキーのピンバッチを交換したいです」
私たちキャストは、彼女の願いを叶える為に、たくさんのミッキーのピンバッジとミッキーの大きなメダルをつけてあげたの。
今度はこのストラップを落とし主に届けなくちゃ!だから今度はみんなの番。この写真をシェアして、私たちの友人を見つける為の力を貸してちょうだい!一緒にディズニーマジックを起こしましょう!』
みんなも一緒に魔法を!

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ゲスト同士や、キャストとピンを交換するこのピン・トレーディング。もしも落とし主が、このストラップを落とさずにパークを楽しんでいたら、きっとたくさんのピンバッジをつけられたはず!そう思ったエミリーさんとキャスト達は、ストラップをいっぱいのピンバッジで埋め尽くしました。
エミリーさんがこの写真を投稿すると、Facebookで1万2千人にシェアされ、ハッシュタグ#theredlanyardは多くの人に拡散されてゆきます。けれど、すぐには持ち主は見つかりませんでした。それでも彼女とピンを交換したという子供たちが現れたりなど、情報が少しづつ集まりました。エミリーさんは、その後も何度かこのハッシュタグを使い、投稿を繰り返しました。
同じものを買うのでは解決できないからこそ、届けたい
実は、エミリーさんがこのストラップをなんとしても落としてしまった人に戻してあげたいと思ったのには、自閉症に対する深い理解がありました。エミリーさんは、その思いを自身のSNSで語っています。

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『自閉症の人たちは、毎日色々なものと戦っているの。でも、それに気がついていない人も沢山いるのは知っています。実は私もあまりよくわかっていなかったわ。でも最近、私がわかったのは、彼らにとっては自分の持っているものを失う事、例えそれがとても小さなものだとしても、彼らにとっては大きな影響を与える場合があるのだという事。それは”同じ様な新しいものを買う”ことでは、絶対に解決できない事なの』
エミリーさんが強い思いで繰り返し呼びかけ、そして多くの人達も諦めずにシェアし続けてくれた事で、この落とし物は話題になり、多くのメディアでも取り上げられました。その結果、ついに2016年4月12日に持ち主が見つかったのです。

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エミリーさんは、持ち主が見つかった事を報告し『みんな、本当にありがとう!会った事がない多くの人たちが、たくさん心配して協力してくれた事に、心からの感謝を!世界はこんなに素晴らしい人たちで溢れているのね!」とその喜びを伝えました。

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そして、ミッキーのサインと新しいピンバッジと共に、ストラップは無事に落とし主であるスージー(Susie)さんの元に届けられました。実は最初、話題になりすぎている事に戸惑いをもっていたスージーさんとその家族は、メディアの取材を断っていました。しかしこの素晴らしいプレゼントを受け取った後、その喜びを伝えたいと数枚の写真を提供してくれたのです。

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ディズニーマジックはすべての人の優しい気持ちの中にある!
https://www.instagram.com/p/BESUJmRg4f2/
ディズニーではキャストの素晴らしい対応がよく話題になります。今回も、マニュアルにはないエミリーさんの優しい対応が起こした奇跡でした。そして何より、エミリーさんだけでなく多くの人たちが一緒に起こした奇跡でもあります。ディズニーマジックは、私たちみんなが起こす事の出来る優しい魔法だという事を気付かせてくれた、素晴らしい対応に感動ですね。

