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「黄金の血」と呼ばれる血液型をご存じだろうか。200万人に1人しかいない貴重な血液だという。なぜ「黄金」なのか。Rhの抗原を全く持っていないので、輸血しても患者に拒否反応が起きず、どんな人にでも輸血できるのだ。
トランプのポーカーでいえば「ロイヤルストレートフラッシュ」のように、輸血では“最強”と言えるだろう。
でも、この血液型を持ちたいと思う人は、おそらくいないはずだ。最強どころか、「最弱」なのだから。その理由は多くの方がお分かりかと思うが、しばらくお付き合いいただきたい。
黄金の血 200万人に1人の「Rh null」
人間の赤血球の表面には、最大で342種類の抗原があり、赤血球表面にある抗原によって、A型、B型、O型などの「ABO式血液型」や、Rh因子で分類する「Rh式血液型」などの血液型がある。
ところが、ABO式の抗原はあっても、Rh抗原を持たない血液型があるのだ。この血は「Rh null」(アールエイチ・ヌル)と呼ばれ、200万人に1人しかいないと言われる(※1)。
「あれっ、Rh抗原がない!」40年ほど前に脚光
この血液型が初めて確認されたのは1961年。オーストラリア原住民から見つかり、日本では1967年に確認された(※2)。
Rh nullが脚光を浴びたのは40年ほど前のこと。当時10歳の少年がジュネーブの大学病院に運ばれてきた。少年の血液を調べて、医療スタッフは首をひねった。少年の血液の中にはRh抗原が存在しなかったのだ。
この大学病院のマリ・ホセ博士はそれを信じられず、アムステルダムとパリにある研究所にも少年の血液の解析を依頼した。結果は同じで、少年の血液型がRh nullであることが分かった(※1)。
世界に43人だけ 輸血OKは「黄金の6人」のみ
抗原を持たないので、Rh nullの血液を輸血しても拒否反応が起きず、どんな人にでも輸血できる。
黄金の血という名は、パリの国立免疫血液学研究所の所長が「golden blood」と呼んだのが始まりとされ、世界人口の0.01%未満しかいない。国際赤十字の2010年の調査では43人しか確認されていないという(※3)。
そのうち輸血に応じるという意思表示をしているのは、ブラジル、中国、そして日本に住む6人だけ。
ジュネーブを舞台にしたイタリア映画「黄金の七人」には1人足りないが、まさに黄金と呼ぶにふさわしい人たちだ。その血はイギリスの研究所で厳重に保管されている。
完全な「黄金」の血はO型のRh null
もっとも、Rh nullの血液なら誰にでも輸血できるわけではない。A型、B型、O型などのABO型の抗原の制約があるので、完全に誰にでもOKなのは、O型のRh nullの血だけなのだ。
イギリスの研究所で保管されている6人の血はすべてO型とみられるが、筆者の勉強不足で確認はできていない。
黄金…でも輸血は受けられず
Rh nullの人は「黄金の血を持つ人」と言われる。が、本当に「黄金」と言えるのだろうか。
本人が輸血を受ける必要が出た際には、輸血する血を見つけることは不可能に近いのだ。
まったく輸血を受けられないわけではないようだが、輸血2回目以降は抗体ができて溶血反応がでて死に至る可能性がある。
他人は助けられても、自分は助けてもらえない。やっぱり黄金でなくて良かった…そう思っているのは、筆者だけではないだろう。

