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大阪ミナミで起きたあまりにも可哀そうな飲酒暴走運転による死亡事故。私にとっても忘れられない取材の一つでした。
あの暴走事故が起きてから、先日の水曜日でちょうど1年。取材に行くと、ご遺族であるお母さんには、あまりにも理不尽な、もう一つの苦しみが襲っていました。
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大阪のミナミで、当時24歳の看護士、河本恵果(かわもとけいか)さんが暴走者にひき殺されました。
友達も多く、フィアンセとの結婚も控えているとても幸せな人生は、一瞬に全てをつぶされてしまいました。

暴走車を運転していたのは白坂愛梨(しらさかあいり)被告。白坂被告は居酒屋でビールを4杯飲み、さらに新しいお酒を買い、酒を飲みながら酩酊状態で車を発進させたのでした。

しかし、1年にわたる裁判や取り調べの中で、実はこの話には『裏事情』があることが分かってきたのです。
白坂被告の車には同乗者がいました。白坂被告の女友達2人でした。彼女たちは電話で白坂被告を呼び出していたのでした。
「きなよ。帰りは私たちが車を運転するから!」
白坂被告は居酒屋にてビールを4杯。そして、店を出てさらに酒を飲んでいたそうです。しかし…その友人たちは白坂被告の車を見て急に
「やっぱ運転して」
と言ってきたのです。白坂被告の車は比較的大きな車で、運転を躊躇したのでしょうか?
言われるがままにそのまま運転し、恵果さんたちに突っ込んでいった白坂被告は論外です。今後、厳しく罰せられるべきでしょう。
しかし、ここにきて驚愕の事実が浮かびあがってきました。
この友人二人、お酒を飲んでいなかったそうなのです!
何らかの事情があったのか…それともお酒を好きではなかったのか。
二人は白坂被告が、運転も正常に出来ない状態であったことは当然認識していたと想定できます。
何せ、素面(しらふ)なのですから。
正常な価値判断ができる状況であったにもかかわらず、目の前でそこまでお酒を飲んでいた白坂被告に運転をさせることは、完全に今回の事件の引き金をひいた、と言われてもしょうがないのではないでしょうか。
しかし
しかし、です。
なんと、この二人の同乗者…
罰金で済んでいるのです!(←道交法違反)
恵果さんのお母さんは、この二人を「白坂被告同様に危険運転致死傷罪で罪を償うべきだ」と必死で声を挙げています。いつもこの事件の取材をしていて思うのです。
最愛の娘を無残に殺され、なぜこれ以上にご遺族が苦しまなければいけないのでしょうか。
飲酒運転は絶対にいけないのです。
飲酒運転をする人間は論外。そして、目の前で飲酒していた人間がハンドルを握ることを許容している人間も、同様に罪を持つはずです。止めもしなかったのですから。
なんでこんなに当たり前のことが出来ないのか。守られないのか。取材していても情けなく、悲しくなります。
ちなみに、2015年、大阪では192件の飲酒運転の事故が確認されています。負傷者は264人。
亡くなった犠牲者は10人。大阪では毎月のように誰かがひき殺されているのです。
恵果さんはその一人にすぎません。酒を飲まない、たったそれだけでこの10人は死ななくてすんでいるのです。我々は今でものうのうと暮らしているこの2人の同乗者にも取材をかけました。
すると、そのうちの一人は、家から出もせずにインターフォン越しにこう言い放ったことをご報告しておきます。
「ほっといてもらえますか?もう済んだ話なので」
