石坂産業株式会社 社長・石坂典子さん
皆さん、ゴミ処理業者に対してどんなイメージを持っていますか?多くの方は、あまり良いイメージを持っていないでしょう。
しかし、文明的な生活を送る限りゴミは必ず出てしまうものですし、出たゴミは適切に処理しなければ街中が汚くなってしまいます。
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彼女の名前は、石坂典子さん。石坂さんの経営している石坂産業は、産業廃棄物の処理を行う会社です。
会社自体は、石坂さんのお父様が起業したもので、石坂さんは2代目の社長として腕を振るっています。しかし、幼少期から社長に就任してからも多くの困難がありました。
まずは石坂さんが幼い頃の話から紹介します。
「ごみ屋の娘」と言われた幼少期

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私は小さい頃、父が始めたこの仕事なんですけど、「ごみ屋の娘」「あの子と遊ぶのはやめなさい」って言われたことがあるんです。
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「捨て場の娘」と呼ばれてバカにされたように感じたり、飯場生活をしていたせいか高級住宅街に住む友達の家には私だけ入れてもらえなかったり。
子どもながらに、職業で差別されている雰囲気を感じていました。
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ゴミを処理する仕事に対するイメージは、石坂さんの友達付き合いにまで影響を及ぼしていました。
嫌な思いをした石坂さんが、お父様に「なぜこの仕事を始めようと思ったのか」を尋ねてみると、こんな答えが返ってきたそうです。
毎日毎日、海に運ばれていく廃棄物を見て、まだまだ使えるものがたくさんあった。これから必ずリサイクルされる時代が来る。だから、この仕事を始めたんだ。
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ただゴミを処理するだけではなく、使えるものはリサイクルをして循環させるというビジョンが、お父様には見えていました。
事実、日本でも1990年代初頭からリサイクルが一般的に認知され始め、エコマーク商品が販売されるようになったのです。
やがて石坂さんは、石坂産業で事務として働くようになりましたが、働き始めて10年目になった1999年のある日、事件が起きました。
「所沢ダイオキシン騒動」で会社がバッシングされる

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埼玉・所沢市の葉物野菜から高いダイオキシン濃度が検出されたとNステで報じたことだ。
実際にダイオキシンが検出されたのは煎茶で、飲んでも健康に害はない程度だったのだが、報道をきっかけに大手スーパーが所沢産のほうれん草などの野菜を扱わなくなり、価格が暴落した。
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この時ダイオキシンが発生する原因として、産業廃棄物の処理をしている石坂産業もバッシングされてしまったのです。
当時どんな言葉を浴びせられたのか、石坂さんは次のように話しています。
地域の方たちから「迷惑な会社だ」「とにかく出て行ってくれ」「不要な産業なんだよ」というようなことを多くの人たちから言われる結果になりました。
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石坂さんのお父様は、すぐに3つあった焼却炉を全て解体し、40億円もの資金を投入してより環境にやさしい全天候型のリサイクルプラントを建設しました。
後に誤報と判明しましたが、バッシングは収まらず企業としての信頼も失墜する事態に陥ってしまったのです。
それでも「会社を子ども達に継いで欲しい」というのがお父様の願いでした。しかし、旧態然としたやり方では太刀打ちできない…。
抜本的な企業イメージの刷新が必要だと感じた石坂さんは、お父様に直談判して社長に就任しました。
社長就任後に取り組んだこととは?

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産業廃棄物の処理施設は、必要不可欠な施設であることは間違いありません。
しかし、地域住民に認められる企業にならなければ、そこで働く従業員の方のモチベーションにも関わると石坂さんは考え、次の3つの施策に取り組んだのです。
いくら新しい工場を建てて新しい機械を導入しても、その機械を動かすのは、やはり人です。
100%その機械を生かしてくれる人材を育成する必要性を感じ、国際規格ISOの取得を目指しました。
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ISOとは、情報セキュリティ、品質管理、事業継続、労働安全衛生などあらゆる分野の基準を満たした企業に与えられる規格です。
この規格を満たすことは、企業の信頼にも繋がります。また、作業手順が明確になるので誰が作業をしても高いレベルを保持できるというメリットもあるのです。
石坂さんが社長に就任した当時、ISOの取得に異を唱えて辞めた人もいましたが、結果的に会社の雰囲気も社員の意識も良い方向に変わりました。
うちの商品はJIS規格をとれるような品質ではありませんとコンサルに話したところ「社長、品質は商品だけじゃないんじゃない?」と言われ、挨拶と3Sを取り込みました。
それまで朝、タイムカードを打っても挨拶できる社員はほとんどいませんでした。
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挨拶は、どんな仕事であろうと社会人としての基本です。しかし、当時の石坂産業ではきちんと挨拶が出来ない社員が多かったのです。
そのため石坂さんは、「おはようございます」の練習から取り組んだとのこと…。
また男性が多い職場ということもあり、整理・整頓・清潔の3Sを徹底しました。
ところが、石坂さんがいなければ相変わらず怠惰な態度を取り、石坂さんの姿が見えると動きが変わるというのが現実だったのです。
「なんとか社員にやりがいを感じて欲しい」という気持ちから取り組んだのが、自社施設の公開でした。
ちょうどトヨタが見える化を叫んでいた頃で石坂産業でも見せる化をしよう、どんどん見てもらっていいようにしようという流れになりました。
最初の5年くらいは自ら社員の中に入って自ら没収の繰り返しでした。でも、お客さんが来るようになって、お客さんが来るから慌てて綺麗にするよりもいつもきれいにしていた方が楽だという事に社員が気づきました。
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この施設の公開は、近隣住民に事業内容を理解してもらうきっかけになりました。
また、従業員の家族が見学しに来ることもあり、モチベーションアップにも多大な貢献をしています。
これら3つの施策に加え、石坂さんは産業廃棄物の再資源化に取り組み、見事地域から信頼される企業へと会社を生まれ変わらせたのです。
数々の苦難を乗り越え、廃棄物処理施設とそこで働く従業員の方のイメージを大きく変えつつある石坂さん。今後の環境保全について次のように話していました。
荒れた地球、森や水が豊かな地球、どちらに住みたい?

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今は全国、そして世界からたくさんの人たちが訪れ、廃棄物処理の今後の在り方、そして地域にこのような施設があったら、どういうことが起きるのか、これから地球の環境をどうしていくことで保全していくことができるのか。多くの皆さんに考える機会を与えさせていただいています。
ぜひ考えていただきたいと思うんです。
私たちの、このような迷惑施設がどうしたら今の状況から、今のことから新たな価値産業を生み出すことができるのか。新しいものは、全て今無いものから作り出すことばかりではなくて、現状にあることを変えていくということも非常に大切なことではないかなというふうに思っています。
私たちの会社で働く人たちや、これからこの廃棄物の処理の仕事を続ける人たちが、夢や誇りを持って、働けるような状況を私たちが作っていかなくて、いったい誰に片付けてもらうのでしょうか。
「多くの方たちに廃棄物のことを考えてもらえるきっかけが作れたら、私の役目は意味があるのかな」
そういう想いで、今、会社の社長をやらせてもらっています。
皆さんは将来、そしてこれから未来に向けて、廃棄物で土壌が汚染され、森や川がどんどん荒廃化し、砂漠のような地球に住みたいと思われますか?それとも、自然と共生し、森や水が豊かな地球環境で、これから生活していきたいと思いますか?
これを今選択するのは、私たち一人ひとりの使命であると。皆さんが選んでいく時代になっていると思います。
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地球を汚すのも、きれいにするのも、生活している人間の行動一つで決まってしまいます。
ゴミをゴミとして処理するのではなく、資源として還元し循環させる石坂産業の取り組みが広がれば、未来の地球はさらに美しいものになるのではないでしょうか。
私達も、環境保全のために出来ることから取り組みたいですね。
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