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“自分は人とは違う、どうしてなんだろう?”。そんな悩みを抱えたこと、きっと誰もがあると思います。でも「自分の心と体が女であること、男であること」については、筆者を含め当たり前に感じている人が多いのではないでしょうか。
今回はある一人の人物が、自らの経験を交えて語りかける「“多様な性”と“個性”への理解」についてご紹介します。
Queer&Ally代表、はるさんの“告白”

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はるさんは、多様性を認め合える社会を目指し活動する団体「Queer&Ally」の代表。“誰もが自分らしくいられる社会や居場所づくり”への理解促進のための活動をしています。そんなはるさんが松本市で5月に開催されたTEDxMatsumotoで、自らの経験と思いを語りました。
「私の性別は、何だと思いますか?」

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皆さん、こんにちは。私は「はる」と申します。早速ですが、私の性別、何だと思いますか?わかる方は、どれだけいることでしょうか?この状況の中で、皆さんは何を基準に、私の性別を考えたましたでしょうか?
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この質問にハッとした人は多いのではないでしょうか。その後、はるさんは「多様な“性”にまつわる4つの視点」についてこう話しました。
性別を“心・身体・好き・らしさ”の4つの視点で考える

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まずは「ココロの性別」ですね。自分のことを男性と思うか、女性と思うか。自分の感覚ですね。次に「カラダの性」。生殖器がどうなっているか、染色体がどのようになっているかっていう、生物学的な性です。それで「スキの性」。恋愛対象が男性なのか、女性なのか。最後に「ラシサの性」。世の中には、男らしい仕草、女らしい仕草があると思いますが、自分がどんな性別として振る舞いたいかっていう性ですね。
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と、独自の視点で語るはるさん。そして彼が認識する“自身の性”とは…?
ココロの性別、自分のことは男性だと思っていますので、男性です。カラダの性も、産まれた時から男性です。スキの恋愛対象は、自分の場合は「男性」というふうになります。それで、ラシサの性は男性ですので、“LGBT”で言うなら「男性同性愛者」ということになります。
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“LGBT”って何?

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LGBTとは、「L」がレズビアン「G」がゲイ「B」がバイセクシュアル「T」がトランスジェンダー(戸籍上の性別に対して、違和感を持っている人)を意味します。はる氏は自らを同性愛者と語りましたが、それをカミングアウトするまでには深い葛藤と苦しみがあったと続けます。
同性愛者、と口にするだけでも涙…葛藤と苦しみの日々
私が「恋愛対象が男性かもしれない」と思ったのは、中学2年生の頃でした。小さい頃からTVの中では「同性愛者は笑われるもの、からかわれるもの」、そして学校の中では「いじめられるもの」。そんなイメージがありました。十代の頃は「同性愛はいつか治る」という言葉を信じていました。高校に入っても、大学に入っても、二十歳になっても、その言葉を信じていました。
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しかし二十歳になっても女性を好きになれなかったはるさんは“自分は何者なのか”を確かめるため、ネットを通じて同じような人と会う決意をします。自らのことをカミングアウトする、という気持ちは一体どのようなものだったのでしょうか。
LGBTのことや多様な性のことについて話すようになったのは、2~3年前です。最初は「私は同性愛者です」の一言を言うだけでも涙が流れてしまう、そんな状況でした。底の見えない暗闇の中で上から垂れ下がっているロープにしがみついている状態、これがカミングアウトできていない状態です。とりあえずここのロープにさえしがみついていれば、落ちることもない、怪我をすることもない。とりあえず安全。
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しかし、この手を放すとどうなるのか?ゴツゴツした岩肌で、落ちてしまえば怪我をするかもしれない。死んでしまうかもしれない。降りなければ良かったと後悔するかもしれない。もしかしたら、ベットのようにふわふわで暖かく包みこんでくれる場所かもしれない。「かもしれない」ということだけで、確信を持つことはできません。なぜなら暗闇で何も見えないからです。
そんな中から「大丈夫だよ。降りておいで」と声が聞こえたら、どんなに楽でしょうか?
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誰よりも理解してほしい、両親へのカミングアウト
そんなはるさんが、自分のことを誰よりも理解してほしかったのがご両親。声を震わせ、涙ながらにその時のことを語る動画上の彼の姿と言葉に、胸を打たれます。

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「言えなかったから、あの時辛かったんだ!」と、あとから言いたくない、そう思いました。「同性愛者になるのは育て方が悪い!」と言う人や、親が「自分の育て方が悪かったのではないか?」と悩むという話も聞きます。お父さんもお母さんも、何も悪くはない。
「ありがとう!育ててくれてありがとう!その気持ちに変わりはない。他の兄弟と同じ家に、同じように暮らしていたはずなのに、なんでだろう?結婚もできないし、孫も見せられない。ごめんね」と……。
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カミングアウトは一昨年の夏、ただそれだけのために実家へ帰りました。帰ったその日の夜に伝えましたが、じっくり話ができず、モヤモヤした気持ちのまま眠りにつきました。次の日、父に海に連れて行かれ、砂浜で2時間、話をしました。海から家への帰り道、父が運転する車、ふと前を見ると父親が腕で涙を拭うような仕草をしていました。
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「泣いているのかもしれない、やはり悩ませてしまったのかもしれない」そう思いながらも、何も声をかけることができなかったというはるさん。しかし実家で彼を待ち受けていたものは…。

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家に帰ると、いつもと変わらない夕食がありました。まるで昨日のカミングアウトなんてなかったことのようで、たまらず自分は聞いてしまいました。
「もし自分に恋人ができたら、紹介してもいいの?」「うん、紹介していいに決まっているじゃん!」と、その返事にうまく答えられず、「うん、わかった。そうする」としか言えませんでした。見送りの最後、「ふたりの子供で良かったよ。ありがとう!」と言えました。
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3月に渋谷区で「同性パートナー条例」が成立
このように、家族の温かい理解を得たはるさん。しかし日本ではまだまだLGBTへの認識が足りないのも事実。そんな中、渋谷区で成立した「同性パートナー条例」は、啓発を促す大きな一歩となっています。また7月には世田谷区でも、同性カップルの宣誓を認める公的書類を発行することが決定しました。

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“伝えてもいい環境”こそが、多様性に溢れる豊かな社会
楽しく生きたい!笑って生きたい!好きな人と一緒に暮らしたい!ワクワクしたい!思いっきり抱きたい!いろんな想いがあると思います。そして“1人ひとりに違った価値観や幸せ”があるはずです。
1人ひとりに合わせることは、手間のかかることかも知れません。1人ひとりの想いを聞くことも、伝えることも、きれいな形ではなく、ぐちゃぐちゃになってしまうこともあると思います。
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公演の最後に、はるさんはこう続けます。
だけどそれを聞いてくれる人、伝えてもいいんだと思える環境、そんなふうな社会こそ、多様性に溢れる豊かな社会だと、私は思います。例えばわがままかもしれない、こんなことをしてはいけない、と思った時に「気にしなくていいんだよ!皆、そうやって生きているから」と言ってもらえるような。
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社会における“多様性”について、深く強く考えさせてくれる言葉が染み入ります…。
ご本人が実際に語っている公演の模様も、ぜひご覧くださいね。
公演の模様はこちら
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