「セックスが終わると彼が構ってくれない。もしかして体目当て?」 これは、誰でも1度くらいは悩んだことのある問題かもしれない。
一般的に女性は、セックスでオーガズムに達しても眠気などほとんど感じないため、気持ちの問題だとして、つい相手の男性を責めてしまうこともあるだろう。
しかし、そんな無駄な争いを始める前にぜひ知ってほしい事実がある。男性が、セックスの後すぐに何もせず寝てしまう現象には、科学的根拠があるというのだ
男性の「賢者タイム」はホルモンの分泌が原因
男性が射精したとき、脳内ではリラックス効果がある「オキシトシン」、精神を安定させ睡眠を促す「セロトニン」をはじめとする、さまざまなホルモンが分泌される。
なかでも、セックス後の満足感を感じさせる「プロラクチン」というホルモンは性欲を減退させて、男性がすぐに第2ラウンドに臨むことがないようにしている。
もちろん、そんなことはないという男性もいるだろう。それはその通りで、プロラクチンの分泌量が少ない男性ほどすぐに復活しやすいのだ。
射精後に分泌される「プロラクチン」 人口注入すれば「疲労する」
また、本来プロラクチンは睡眠中に多く分泌されるホルモンで、ある研究では、動物にこれを注入したところ、その動物はすぐに疲労したという(※1)。
セックスの後、男性がそれまでの高揚感とは打って変わって冷静になり、相手にも関心がなくなったかのように見える、いわゆる「賢者タイム」に至るのは、このような理由があったのだ。
セックスはたいてい夜、男性主導で行われる
多いことも、事後の眠気の一因だ。カップルによっては女性がより積極的に動くこともあるだろうが、たいていの場合、セックス中の運動量が多いのは男性のほうだろう。
ある研究結果によると、1時間のセックスで消費するカロリーは、軽いジョギング30分と同程度(※2)。昼間、男性が活動的に動いていたならば、夜にこれほど激しい運動を率先して行った後、すぐ眠くなってしまってもしょうがないことなのだ。
子育て中の女性が夫に冷たくなるワケにもプロラクチンが関係
実は、男性の「賢者タイム」の素であるプロラクチンは「授乳ホルモン」とも呼ばれ、子供を産んだ女性が授乳するときにも分泌される。
赤ちゃんがおっぱいを吸って乳頭が刺激されると分泌され、授乳で刺激される頻度が多くなるとともに、ホルモンの濃度も高まるという(※3)。
出産後、育児真っ最中の女性が夫に対してやけに冷めた態度をとってしまうのは、プロラクチンが関係しているともいわれている。
冷めた態度は気持ちの問題ではない!
セックス後の男性にしても、出産後の女性にしても、「冷めた態度は本人の気持ちの問題ではなく、脳や体の仕組みによるものだ」と理解できれば、関係性の破綻につながるような言い争いも少なくなるのではないだろうか。
たとえ、男性がピロートークをおざなりにしたとしてもぐっと堪え、頑張った男性を許してあげるのも、“できる女”の優しさかもしれない。