アメリカでは、人口のほぼ27%がタトゥーを入れています。イギリスでは、2人に1人が少なくとも1つのタトゥーを入れており、その割合はどの国よりも多いとのデータが出ています。日本でも、タトゥー人口は年々増える一方ですが、全ての人がイメージに満足しているとは言えないようです。

いくらニードルガンを使うからといって、誰もが出来るものではありません。デッサン力、ドローイング力、正確さ、カラーのセンス、それに集中力と、いくつかの資質と努力が重なって作り出されるクリエーションです。芸術と呼べるのかどうかは分かりませんが、少なくとも芸術的感覚に恵まれない人には任せるべきではありません。しかも、自身の肌をキャンバスにするのです。やり直しの効かない一発勝負を、経験も浅く稚拙なスケッチを張り出しているような業者なら、選ぶべきではないでしょう。

ASAPS（the American Society for Aesthetic Plastic Surgery）では、2013年だけでも45224件に及ぶタトゥーの除去手術を行っています。2011年には40801件だったのが、5000件以上も伸びています。これは、入れたことを後悔する人が増えていることを示しています。タトゥーを入れたアメリカ人女性の72.7％は、入れた絵の除去を考えているそうです。理由はそれぞれでしょうが、見るに耐えなくなったのが本音ではないでしょうか。

ここに上げたのは極一部ですが、せっかくタトゥーを入れるなら、やはりその道に精通し、しっかりした技術を持つ人を選ぶべきです。絵を描くのが上手い人も入れば、数字や模様が上手な人もいます。じっくり話を訊いて、その分野の最高のタトゥーイストを選びましょう。

大きなイメージになれば、除去するにも相当なお金がかかります。いくらレーザーで取り除くことが出来るとは言っても、かなりの時間を要します。それに、完全に取り除くのは不可能です。施術者にもよりますし、レーザーの種類によってはタトゥーを入れる時よりも痛い思いをしなければなりません。タトゥーを除去するクリームなども市販されていますが、どれも副作用が激しく、それほどの効果は期待できません。アメリカでのタトゥー除去手術はもはや一大ビジネスとなっていて、年間75ミリオンダラー（約91億円）以上の利益を生んでいます。日本でも、今後増えると予想されています。

もし、好きになった人がタトゥーに反対だったら？タトゥーが好きな人とだけ付き合うから大丈夫？そう上手く運べばいいのですが、まだまだタトゥーには良くない印象が付き纏います。他人の人生を生きているわけではないので、全ては自身で決めることですが、よくよく考えて結論を出して下さいね。

さて、いかがでしょうか？今日では、ファッションの一部となっているのは明らかです。奇抜で素晴らしいイメージなら、いつまで見ていても飽きないかもしれません。コミュニケーションの一端を担っているといったデータも出ています。1771年にキャプテンクックの航海記（The Voyage in H. M. Bark Endeavor）が出版されて以来、多くの人がタトゥーに興味を持ち虜になりました（そもそもタヒチの原住民が行っていた肉体装飾がヨーロッパに伝わった、とされています）。絵の出来映えを自慢し合い、そこから会話が生まれるのも珍しいことではありません。とは言え、毎日顔を合わすタトゥーです。飽きないもの、精神的にも害のないイメージを選ぶのが良さそうです。

残念ながら、一つ大事なことを付け加えなければなりません。それは、タトゥーと犯罪の関係です。犯罪科学の調査によれば、タツゥーを入れている人と入れていない人では、犯罪に関わる率がかなり違うことが分かっています。タトゥーを入れている人が犯罪者となるケースも少なくなく、入れてから性格が変わる場合が多数報告されています。それ故に、イメージを選ぶ場合は十分に注意して下さい。精神に与える影響はバカになりません。出来れば、心理的にも安定し、正のエネルギーをもたらしてくれるイメージがいいのではないでしょうか。くれぐれも、お付き合いしている人の名前を入れるのは止めましょう。いつ、他にもっと好きな人が出てくるかなんて、誰にも分かりませんからね。特に、恋多き男女には不似合いです。