なんちゃって育休。
ちょっと古いですが、2013年の記事。
男性の育児休業取得率がガクンと低下した。2012年度の男性の育児休業取得率はわずか1.89%で、前年度の2.63%から0.74ポイント減少。
安倍晋三首相は「『女性が働き続けられる社会』を目指すのであれば、男性の子育て参加が重要」と成長戦略の中で打ち出しているが、これに逆行するかのような動きだ。
男性の育休取得が激減…背景に「パタハラ」:日本経済新聞
出典 http://style.nikkei.com
何が驚くかって、取得期間の短さ。これは育休って言わない!
たとえ育休を取ったとしても、期間は短い。
「1~5日」が4割、「5日~2週間」が2割と2週間未満が6割を占める。育休取得者の割合はここ10年微増しているものの、その大半が1カ月未満という短期の取得者だ。
(中略)つまり、男性の大半が数日から数週間の「なんちゃって育休派」なのだ。
出典 http://style.nikkei.com
お子さんをお持ちの方であれば、「1~5日」の休みが、どれほど役に立たないものかは、よくご存知でしょう。
これ、「取得の時期」も知りたいですね。もしも「1~5日」の休みが「産後直後」だとしたら、母子はまだ入院中でしょうから、父親は手みやげをもって病院に行くくらいしかできません。
母子の退院と同時に、仕事が始まる流れになってしまいます。まさになんちゃって育休!それ普通にただの有給じゃん!
ちっとも増えてません。
2016年の調査でも、現状はちっとも!変わってません。ヤバいですね日本。
厚生労働省が26日発表した2015年度の雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は2.65%となり、1996年度の調査開始以来、最高となった。
前年度に比べ0.35ポイント上昇し、これまで最も高かった11年度の2.63%を更新した。ただ、男性の取得率を20年度までに13%に引き上げるとする政府目標には遠く及ばず、低水準にとどまっているのが現状だ。
男性の育休取得2.65%=過去最高でも水準低く―15年度 (時事通信) – YAHOO!ニュース
出典 http://headlines.yahoo.co.jp
2011年が2.63%。2016年が過去最高の2.65%。もはや誤差の範囲!! なんども確認しましたが、26.5%ではありませんでした……。
とはいえ、みんな育休は取りたい。
という感じで見ると「日本の男どもはほんとしょーもないな!!」という感じですが、彼らの気持ちは違うようです。
東京都が行った別の調査では、育休の取得を希望する男性の割合は68.9%だと報告されています。
ということは、取得率をざっくり差っ引くと、6割近い人々が育休の取得を「我慢」していることになります。
これぞブラック社会という感じですね。人間の尊厳がろくに守られていない。
日本でサラリーマンやっちゃだめです、ほんとうに。かくいうぼくも子育てしたくて、会社を辞めて独立しましたから。サラリーマンやりながら育児とか無理っす。
「パタハラ」の問題も
さらに、記事中では「パタハラ」の問題も指摘されています。ゴミ上司すぎる!
上司: 「なんで、男のおまえが育休なんて取るんだ。キャリアに傷がつくぞ」
Aさん: 「たかだか4カ月のブランクでキャリアに傷がつくとしたら、僕がそれまでの人間だったということです」
上司: 「子どもの教育費は何千万円もかかるんだぞ。いっぱい残業して金を稼ぐ。これが家長としてのあるべき姿だ!」
Aさん: 「うちの場合、妻の方が給料も高いので妻を世帯主にしているんです。僕は家長ではありません…」
上司: 「そういう問題じゃない!バカモノ」
出典 http://style.nikkei.com
マンガかよ!実話かよ!泣けてくるね!
ぼくの知人(男性)でも、「育休1年取りたいんですが……」と言ったら周囲から嫌な顔をされて、結局諦めることにした方がいます。もちろん!その会社では制度としての育休は用意されています。
が、現場レベルでは「育休拒否」が行なわれているわけですね。奴隷労働かよ……。
具体的な解決策
さて、記事中で、渥美さんは次の三つの解決策を提案しています。いずれも強く共感します。
1. 男性の育児参加に先進的な取り組みをする企業の助成・表彰
2. 育児のための短時間勤務に対する所得補償の導入
3. 育児休業中のテレワーク(在宅勤務を含む)の認可・推進
出典 http://style.nikkei.com
あえて付け加えることがあるとすれば、これらの解決策を実現するためには、ぼくらの意識を変える必要があります。
日本人の意識は古くさいとしか言いようがありません。「少子社会に関する国際意識調査報告書」によれば、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に賛成する人の割合は、男性で65%、女性で56.8%だそうです。ヤバい!

出典 http://partners.en-japan.com
この価値観に「反対する人」の割合も、国際的に見て圧倒的に低いです。スウェーデン男性は74.5%が反対しているのに対し、日本ではなんと8.2%。
ほんとうにヤバいですよね、日本。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」って、戦前かよ。日露戦争くらいの価値観じゃないかそれ?
そもそも、妻が家庭を守っているだけじゃ、ワーキングプアになりますよ。バブルじゃあるまいしねぇ……。
在宅勤務を進めよう。
引用した記事にも「育児休業中のテレワーク(在宅勤務を含む)の認可・推進」という解決策が提案されていますが、現実的に考えれば、これがもっとも合理的でしょうね¥。
関連記事:日本の男たちの「育休」の取得状況がウンコすぎてヤバい!…解決策はこれです。
在宅勤務が許容されるようになれば、育児中の男性も、仕事をある程度継続することができます。
「業務量を半分に落として、在宅で育児をする。その代わり、給料は25%減とする」みたいな働き方が広がることは、会社にとっても本人にとってもメリットがあります。
というわけで、育休を取得したい男性陣におきましては、人事部あたりに「在宅勤務ができるように制度を作ってくれ!」と嘆願するのがいいでしょう。
それで動かないような会社はダメな会社なんで、まぁ、さっさとやめるのがおすすめです。こどもは刻一刻と育っていきますからねぇ……。家庭と仕事、どっちが大切なの?