Naitter【泣いた】

危険だから、絶対にこの記事を読んではいけない

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【1】怖い話や昔話にありがちな文言?

「決して、扉を開けてはいけません」
「絶対に、この映画を一人きりでは見ないで下さい」
「目的地に着くまでは、決して後ろを振り返ってはいけません」

こんな言葉を、見たり聞いたりしたことはありませんか?。
怖い話・怪談DVD・神話・昔話などで、よく使われるフレーズだ…と筆者は思います。

「決して扉を開けてはいけません」と言われて先ず思い出すのは、昔話の「鶴の恩返し」でしょう。
とても有名な話なので、恐らくご存知の方ばかりでしょうが、念の為ストーリーを説明すると…。

一羽の鶴が猟師の罠にかかってしまいます。そこへ、偶然通りがかった人間がひとり(地方によって、おじいさんだったり若者だったり、シチュエーションは色々)。鶴を不憫に思った人間は、鶴を助けてやります。

恩義を感じた鶴は、人の姿に化け、助けてくれた人間の元へ恩返しにやってきます。そこで、こっそり高価な布を作るのですが…。
作業をする時には鶴の姿に戻らなくてはならず、その光景を見られた場合は、目撃者の傍から去らなくてはいけない…というルールが、鶴の世界にある様です。

念押しされていたのに、よせばいいのに、人間は作業風景を覗いてしまいます。その結果、鶴の正体がバレてしまい、その場から消える羽目になります。
覗かなければ、高価な布を生産し続けてくれたかも知れないのに…。

「絶対に、この映画を一人きりでは見ないで下さい」という言葉は、ホラー作品の宣伝文句によく使われる言葉です。

特に有名な作品は、「サスペリア」というホラー映画でしょう。1977年の作品です。この映画の宣伝で、「決してひとりでは見ないでください」というフレーズが使われ、大きな話題になりました。

サスペリア以外の作品でも、しばしば似た文言が使われています。

出典 http://www.amazon.co.jp

「目的地に着くまでは、決して後ろを振り返ってはいけません」というフレーズも、様々なところで目にする文言ですが、筆者が最も有名だと思うものは、「ギリシャ神話・オルフェウスの黄泉下り」です。念の為、話のあらすじを言うと…

神の血を引く竪琴の名人「オルフェウス(オルペウス)」が、死んだ妻を取り戻す為に冥界に行きます。彼の竪琴の腕は物凄く、音色だけで「地獄の番犬ケルベロス」をも静める事ができました。

冥王ハーデスでさえも、オルフェウスの竪琴に感動し、特別に妻を連れ帰る事を許可します。しかし、連れ帰るには条件がありました。「冥界から地上に着くまでは、決して後ろを振り返ってはいけない。」

オルフェウスはその条件を飲み、妻を連れて地上への道を急ぐのですが、あと少しでゴールという場面で、うっかり後ろを振り返ってしまい、妻とは永久に別れる事になってしまいます。

上記の他にも、「浦島太郎の玉手箱」「イザナギとイザナミ」「パンドラの箱」「舌切り雀」など、似た様な話は多数あります。

この様に、「やっちゃダメと言われたのに、やってしまう」という話は、洋の東西や時代を問わず、人間の性として語られるものです。
ギリシア神話に至っては、紀元前からのものだとされています。そんな昔から話題とされてきたのですから、何かしらの真理が含まれているのでしょう。

【2】この効果、実は名前がありました

この「やっちゃダメと言われると、なぜか余計にやりたくなる」「禁止と言われて約束したのに、やってしまう」という心理状況や効果は、実は名前があるみたいです。その名前は「カリギュラ効果」。語源は、1980年公開の映画「カリギュラ」とされています。

出典 http://www.amazon.co.jp

「カリギュラ(カリグラ)」は実在の人物で、ローマ帝国の皇帝でした。彼は、建設事業と領土拡大に力を注いだ皇帝でしたが、残忍・独裁・浪費・異常性癖などの悪い話が多く、結局は若くして暗殺されてしまいます。
現在でも「カリギュラ」と言えば、「悪の権力者」というイメージを持つ人は多いでしょう。

【3】名付けられた理由が、かなり酷い

この映画「カリギュラ」は、表向きは「カリギュラの残忍さ・狂気の独裁を描いた歴史大作」との触れ込みでした。
確かにそういった場面も多かったのですが、カリギュラの「異常性癖」にスポットを当て過ぎた映画でもありました。この事を、事前に知らされていなかった出演者も大勢いたそうです。「契約前に聞いていた内容と違う!」と激怒する者が出てしまい、訴訟沙汰になった事もあるのだとか。

この映画の制作費は、約1800万ドル(日本円で約40億円。当時のレート1ドル=226円換算)という大きなもの。大金を投じた映画なので、描写に気合が入りまくり、かなり強烈な映画になってしまった模様です。その為、おおっぴらに公開できるものでは無かったそうです。
(現在、DVDなどの映像ソフトが販売されていますが、描写を制限する等の配慮がなされています。)

公開当時、内容が強烈過ぎたので、上映を禁止する騒ぎになるほどでした。その為なのか、映画「カリギュラ」は大きな話題となり、10億円以上の利益を叩き出しました。

上映禁止とは、「見るな」と言われている事なのですが、それに反してこの利益額。やはり、見るなと言われたら、逆に見たくなるものなのでしょう。

【4】特に利用されているのは、エンタメ・広告業界

この「カリギュラ効果」、現在でもあちこちで利用されている効果です。

例えば、ダイエット器具などの広告で、「本気でない方は、買わないで下さい」という文言を見る事があります。同様の言葉は、英会話教材などの宣伝でも見かけます。

「買わないで下さい」という言葉は、宣伝には似つかわしくない言葉です。が、「本気の方以外は」という言葉と一緒にする事で、印象が変わってきます。
「そこまで言うのなら、かなり効果のある品物なのではないか?」と思ってしまう、そんな方は多いでしょう。

先述のホラー映画「サスペリア」の紹介でも述べた、「この映画、怖いから見ちゃダメ」という文言は、今でもよく使われています。最近では、映画以外のアトラクションやゲームでも、ホラー要素満載のものが多いです。そういうものを宣伝する場で、似た様な言葉を見ます。

一風変わったところでは、お笑い芸人「ダチョウ倶楽部」さんのネタ「押すなよ! 絶対に押すなよ!」が挙げられます。
これは、かなり知名度の高いお約束ネタ。この言葉を言った後、絶対に押されます。押された先には、かなり熱めの湯船や、泥や粉を張ったプールが待っています。「カリギュラ効果」を、逆手に取ったネタでしょう。

【5】カリギュラ効果の源は「心理的リアクタンス」

この「カリギュラ効果」ですが、その元を辿れば「心理的リアクタンス」という言葉に突き当たります。

この言葉について、記述したり研究したりしている人物・サイトは多いです。それらを読んで、筆者なりに「心理的リアクタンス」とな何か?…をまとめてみると、以下の様になります。

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●人は誰しも、自分の事は自分自身で判断し、決定したいという欲求があります。

●しかし、その決定権を奪われたり他人から行動を強制されたりすると、内容を考える前に、ついつい反発的な行動をとってしまいがちです。
他人からの提案内容が、例え「自分にとってプラスになる内容」であっても、反抗してしまうほど強いものです。一種の「自己防衛」と言えます。

●この一連の流れを「心理的リアクタンス」と呼びます。これは、「禁止」「強制」という強いストレスに対し、開放されたい・自由になりたいという欲求が強くなり、働くものです。

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子育ての悩みのひとつ、「1歳半~4歳あたりまでの、イヤイヤ期」に通じるものがあります。

【6】上手に使えば、かなり効果的

「やるな!と言われれば、逆にやりたくなる」という心理は、その使い方次第で、良くも悪くも働きます。

例えば、お店のトイレを清潔に保ちたい場合、「トイレを汚すな!」という表示をつけると、「汚すなと命令されれば、かえって汚したくなる」「高圧的な文言には、反発したくなる」という心理が働きます。
そうさせない為なのでしょうか。「いつもトイレを綺麗に使って頂き、ありがとうございます」という表示がトイレに貼ってある店を見かけます。そういうトイレは、汚れている印象が少ないです。

他には、「ロミオとジュリエット効果」なんて言葉もあります。「カリギュラ効果」と同様に、心理的リアクタンスを基にした効果です。これは「障害があるほど、恋は燃える」という効果です。

もし、異性から「彼氏(彼女)はいるの?」と尋ねられた時、どう答えますか?
付き合っている人が既にいたら、正直に答えるのが無難です。しかし、フリーだった場合、「うん、いないよ」と正直に答えるよりも、「他の人から誘いを受けていて、OKしようかどうか迷っている」と答えた方が「恋愛上手」だと言えるでしょう。

「ひょっとして、付き合うかもしれない人がいる」となれば、それが障害となり得ます。これから口説こうとしている相手にしてみれば、反発心が湧いてきて、一生懸命に口説こうとするでしょう。

逆に、用心しなければならない場面もあります。
広告・販売でこの理論が多く使われている事は先述の通りです。ただ、世の中で宣伝されているもの全てが「マトモな商売」とは限りません。中には、インチキ商品・悪徳商法も混じっています。
そういったものも、「カリギュラ効果」「心理的リアクタンス」を考えて宣伝している場合があります。気をつけなければなりません。

【7】まとめ

この効果は、かなり強いものだと言えるでしょう。使い方によって良くも悪くもなります。
この効果を最も上手に使って欲しい方は、「子供がいる親御さん」「部下を持っているビジネスパーソン」だと思います。

「勉強しろ!…と言われたら、逆にやりたくなくなる」「成績が悪いんだよ!もっとガンバレ!…と怒られて、モチベーションが下がる」という経験をお持ちの方は多いと思います。こういった場面でも「心理的リアクタンス」が垣間見えます。

強制や否定は、相手のヤル気を削ぎます。「立場的に叱らなければならない」という方もいらっしゃるでしょうが…良い効果が出ないのでは、叱る意味がありません。
高圧的な態度を取らず、もっと上手に誘導し、良い効果を挙げる方が賢いでしょう。