遅くまで開いているお店の営業時間やテレビの深夜番組の放送時間について告知する際に使われる「25時」「26時」といった時間の表記方法。
日本人にとっては馴染み深い方法ですが、このように“24時”を超えて時間を表記するというのは、外国の人たちにとっては驚くべきもののようです。
「日本の興味深い文化のひとつだ」
日本では、25時や26時を超え、だいたい30時(午前6時)くらいまで前日からの時間を延長して表記することがありますね。
実際のところ、テレビやラジオの放送時間が「24:30~25:00」と書かれていたり、飲食店の営業時間が「17:00~26:00」となっていたりするほうが分かりやすく感じるのではでいでしょうか?
しかし、海外の人たちは、これに強い違和感をおぼえているよう…。
出典 YouTube
日本のお店の閉店時間が「25時」となっていることを紹介するYouTubeのこちらの動画には、海外ユーザーたちから以下のようなコメントが寄せられています。
「どういうこと?ちょっと混乱しちゃう」
「日本人は、1日を25時間として生活してるのか?」
「24時を超える時間帯が存在するのなら、日本ではいつ1日が終わるんだろう…」
「つまり、24時=AM12時、25時=AM1時、26時=AM2時ってことだよ。これは日本の興味深い文化のひとつだね」
出典 https://www.favclip.com
このように戸惑う声が多く見られますが、「理にかなってる」「賢いやり方」という反応も少なからず見られます。

日本人は「夜を分割しない」?
アメリカやカナダなどの英語圏では、1日を午前と午後で12時間毎に分ける12時制が主流で、それ以外の国の多くは日本と同様に1日を0時から始め23時59分に終わる24時制を使用しています。
しかし、24時制が主流の国でも、それ以降の時間が前日からの続きで表記されるのはほぼ日本だけ。他の国では、日付が変われば午前1時、午前2時になるのです。
この特殊さを表すように、海外版のWikipediaには、単体で「Date and time notation in Japan」(日本における日時の表記法)というページが存在。
そこでは、日本独自の時間表記について以下のように説明されています。中略を交え紹介しましょう。
「通常、深夜をまたいだ活動の場合、24時間の表記を超えて数えられることが多い。例えば、バーやクラブでは、“26時”(2am)まで営業していると広告を出す。
なぜなら、閉店時間は営業日前日の一部と考えられており、夜を分割して表記するのではなく、深夜は前日に含まれるという文化的な認識がある。テレビ局も深夜スケジュールでこの表記法を頻繁に使い、会話の中でも使われる」
出典 https://en.wikipedia.org
日本人は「夜は分割しない」。非常に分かりやすい説明ですね!
もしかしたら、1日が明け六つ(夜明)から始まり、暮れ六つ(日没)に終わると考えられていた江戸時代以前の日本人の時間感覚が、今もどこかに活きているのかもしれません。
ちなみに、24時以降の表記が日常的に見られるようになったのは、1980年代からだと多くの人が証言しています。日本独自に編み出された時間表記法は、意外にまだ新しいもののようですね。