筆者が現在住んでいるマンションのエントランスを開錠するには、ドアの横についているパネルの暗証番号を押す必要があります。
「オートロック」というやつです。このマンションを選んだのは、オートロックだからというもの大きいです。
1週間前の日曜日の午後の出来事です。
私が暗証番号を押して、エントランスのドアを開けて中に入ろうとすると、55歳くらいの女性が私の後に続いて「ごめ~ん!入れて~」と言いました。
後ろから入ろうとする人

「えっ?このマンションに住んでいる方じゃないですよね?」と聞くと、そのおばさんは、
「息子がここに住んでいるので」と答えました。
入れてあげようかと思ったけど、テレビ番組で言っていた
この手の犯罪が多いという情報が、私の脳裏をよぎりました。
女性だからといって安心してはいけない、と言っていたのを思い出しました。
「私がこの人を中に入れたことで、犯罪が起こったのでは大変だ!! 用心するに越したことはない!」と思いました。
私:「それだったら、息子さんのお部屋の番号を押して、そのあとに”呼”って書いてあるボタンを押してください。そうしたら息子さんがインターフォンに出てきて、開けてくれますから。
あなたのことを疑う訳じゃないけど(と言いつつ、疑ってる)、最近は物騒な世の中ですからねぇ。管理会社の人にも後ろから入る人を入れてはダメ!って固く言われているので(と人のせいにする)、ごめんなさいね」
おばさん:「・・・・」
私:「私があなたを入れたことで、もしも何かあったら、一生後悔することになってしまうから。本当にごめんなさい。疑ってるわけじゃないけど・・・」と言いました。
おばさん:「ああ~。そうですよね。割り込んで後ろから入ったんじゃ犯罪ですよね。いやあ~、どうしようかなあ。インターフォンで呼んでも応答がないんですよぉ~」
電話すれば?

私:「インターフォンに出ないのなら、電話すれば?携帯お貸ししましょうか?」
おばさん:「ああ!いえいえ。スマホくらいは持ってるんですけどね。電話にも出ないから、心配で様子を見に来たんだけど・・・」
と言われました。
疑い深い私&防犯にはすごく慎重な私は「テレビでも、こんな感じで入れて貰ってたな」「なんだか怪しいな」と思いました。
私:「私が様子を見てきましょうか?息子さん、何号室の方ですか?」
おばさん:「・・・・・」
少ししてから「▲号室ですけど・・・・」
すぐに部屋番号を言わなかったので、私はますます怪しいなあ・・・と思いました。
部屋番号は、偶然にもお隣さんでした。
お隣さん

お隣さんと、まともに顔を合わせたのは、1年ほど前に引越しされてきた時くらいです。
日曜日などに時々お洗濯物を干されているのが、ベランダ越しにチラッと見えることはありますが・・・
今朝も私がお洗濯ものをベランダに干していると、お隣さんも干されている気配が判りました。朝の9時半頃までは在宅されていたことは確かです。
お隣さんは、20代後半くらいの真面目そうな男性です。名字は知りません。
現在住んでいるマンションは、部屋の玄関ドアにもエントランスのメールボックスにも名前を表示している人はいません。だから筆者も名前は出していません。
ベランダからチラッと見え隠れするお隣さんの様子は、何日も洗濯物が干しっぱなしになっていることも多く、深夜に帰宅されているのかな?お忙しい方なのかな?
といった感じです。
急ぎの用事なら職場に電話すればいいし、半日連絡がつかないくらいで、わざわざ訪ねて来るかなぁ・・・?もう少し待つよなあ・・・と思いました。
私:「今朝はベランダでお洗濯物を干されていましたよ。休日出勤されたとか外出されているんじゃないんですか?お急ぎなら職場に電話されたらどうですか?」
おばさん:「・・・・・」
私:「何日くらい連絡がつかないんですか?」
おばさん:「・・・・・」「部屋にいると思うんだけどなあ・・・」
私:「私がお部屋の玄関チャイムを押して”お母さまが来られていますよ”とお伝えしてきましょうか?」
疑いすぎかもしれませんが、親を装って空き巣に入る人もいるし、女性だからと言って信用して大丈夫だと言う訳でもないだろうし・・・と思っていると
おばさん:「ああ~!いえいえ!そこまでして頂かなくてもいいです。すみませんでした」
と言って帰られました。
頑として中に入れずに、帰したのです。

お母さんだったのかなあ・・・?

筆者は自分の部屋に入り荷物を置きました。
そして、
「私がお部屋の玄関のチャイムを押して”お母さまが来られてますよ”とお伝えしてきましょうか?」と言ったとたんに「いえ、もういいです!」って感じだったのは、やっぱり怪しいよなぁ~。
と思いました。
「何日くらい連絡がつかないんですか?」と尋ねても答えなかったし・・・
でも・・・・・・
もしかしたら、本当にお母さまが心配して来られたのかもしれないよなあ・・・・
それだったら私って、メチャクチャ冷たい人だよなあ。
とも、思いました。
お隣の玄関チャイムを押しに行く

気になったので、お隣さんの玄関チャイムを押してみました。
応答がありません。
ドアを何度かノックしましたが、応答がありません。
やはり休日出勤か外出中なのかな?
そこで紙に、「隣の◎号室の者ですが、○月●日のPM3時ごろ お母さまが連絡が取れないと心配して来られていましたよ。連絡入れてあげて下さいね」とマジックで書いて、新聞受けに入れました。

何者だったのだろうか?
その日の夜の11時頃、お隣さんの玄関ドアが開くような音がしました。
帰宅された気配でした。
しかし1週間経ちましたが、その後どうなったのかは分かりません。
あの人はお母さまだったのか?怪しい人だったのか?
怪しい人だったのなら、ナイスプレーだけど・・・
もしも本当にお母さまだったとしたら、私の取った対応は冷たかったかなぁ?私が逆の立場なら、「ちょっとくらい入れてくれてもいいのに・・・」って思うだろうなあ。
私・・・いつからこんなにも疑い深い人になったのかしら・・・・?
と、少し嫌な気持ちになりました。
オートロックのエントランス。防犯カメラが駐輪場にもエレベーターにも設置してある・・・
誰一人として玄関やメールボックスに名前は出さない・・・
都会は「人を見たら疑え!!」と言わんばかりです。
「疑い深くないと、用心深くないと、今の物騒な世の中&巧妙な犯罪が横行している世の中で生きて行けないからね」 と自分を納得させました。