テレビやネット広告などで健康に効果があると話題になった水素水。しかし、事実に基づかない虚偽の説明をした販売業者が業務停止命令を受けるなど、最近ではその効果を否定する声が多くなっています。
世界的エンジニアでメルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者・中島聡さんも、水素水の健康効果を「エセ科学」とバッサリ否定。消費者の無知に付け込んだ「エセ科学」商品を紹介しています。
水素が溶け込んだ水、水素水をあたかも健康に効果があるかのように売りつける「エセ科学」商法が横行していますが、
何を勘違いしたのか(あまり深く考えない担当者が、「流行っているみたいだから便乗しよう!」ぐらいの軽い気持ちで作ってしまったのだと思います)、伊藤園が水素水を発売してしまい、批判を浴びています。
そこで批判を避けるために伊藤園が作ったのが、このページです。
Q6. どんな健康効果がありますか?
A6. 伊藤園が販売する水素水は医薬品ではないため、健康効果を標ぼうするものではありません。
Q9. なぜ水素水を販売しているのですか?
A9. 水分補給の1つの選択肢として販売しております。
出典 http://www.itoen.co.jp
などの質疑応答を見ると、さすがに伊藤園として(科学的根拠のない)水素水の効能をうたうわけにもいかないけれども、
(効果を堂々とうたう水素水業者の言葉を信じて)「水素水に効果がある」と思い込んで伊藤園の水素水を買う人は大歓迎という態度が見え見えです。
この手の「消費者の無知」を利用した商法は蔓延しているので(サプリメント一般に言えることです)、伊藤園だけを批判するのもどうかとは思いますが、でも今回の件はブランドイメージには大きなマイナスだと思います。
明治大学もエセ科学と結論づけた「水素水」や「グルコサミン」
水素水(もしくは活性水素水)の「エセ科学」性に関しては、明治大学科学コミュニケーション研究所にわかりやすい解説が書かれており、結論は「エセ科学」です。
・疑似科学とされるものの科学性評定サイト 活性水素水・(電解還元水)
ちなみに、このサイトは、様々なサプリメントや民間療法をいくつかの面から科学的に評価した結果、「エセ科学」「未科学」「発展途上の科学」などに分類しています。
例えば関節症などに効くサプリメントとして広く服用されているグルコサミンは、経口摂取した場合には一度分解されてしまうため、それがそのまま関節などに届くことなどなく、「エセ科学」と分類されています。
それに対し、鍼灸治療に関しては、科学的な理論体系は確立していないとは言え、有効性を示すデータの再現性や客観性が十分に高いため、「発展途上の科学」と分類されています。